ミュージックロウリュという言葉を聞いたことはありますか?私は(まさかの)夕方のニュース番組で紹介されていたことをきっかけにその存在を知りました。
読んで字の如くですが、音楽に合わせてロウリュ(サウナストーンにアロマ水をかけて蒸気を発生させること)とアウフグース(ロウリュにより発生した熱い空気を部屋全体に行き渡るようタオルなどで仰ぐこと)をすることを指します。
部屋の温度が一気に上がり汗がダラダラ流れるロウリュにお気に入りの音楽が加わったら、想像するだけでテンションが上がりませんか?
そんなミュージックロウリュが楽しめる「南柏天然温泉すみれ」(私が見たニュースで取材されていたのはすみれでした)と最近巷を騒がせている「COCOFUROたかの湯」に訪問し、ミュージックロウリュの魅力に迫りました。
体験談①すみれ
南柏駅から徒歩12分ほどのところにある南柏天然温泉すみれ。
都内に住んでいる方は少し遠いなと思うかもしれませんが、常磐線直通の千代田線に乗れば都心からでも乗り換えなしで行くことができます。(表参道駅からたったの23駅)
こちらの施設では岩盤浴内でミュージックロウリュを体験でき、1日4曲ずつ、毎時00分と30分に実施しています。
岩盤浴は4種類あるのですが、ミュージックロウリュが実施される「熱響の間」へ
時間になると某アミューズメントパークのパレードのお知らせのようなアナウンスが流れます。
そして音楽がスタート、音楽に合わせて照明の色も変わり、クラブのような雰囲気に。笑
オートロウリュによる熱風で一気に室内の温度が上がり、サラサラの汗が滝のように流れてきました。
岩盤浴というより、服を着たままサウナ室でアウフグースを受けているような感覚。横浜SKY SPAのサウナシアターを彷彿とさせます。
私が参加した回で流れていたのはAriana Grande(アリアナ・グランデ)の『Break Free』
2014年リリースの、アリアナが有名になったきっかけの曲です。アラサーの私にとって絶妙に懐かしい曲選。。。
2回目はOfficial髭男dismが流れていたり、他の日のセットリストを見ても、邦楽・洋楽、最近の曲・懐メロがバランス良く配置されており、幅広い世代が楽しめるようになっていました。
好きな音楽がかかってると否が応でもテンションが上がり、熱くても時間があっという間に過ぎました。
休憩スペースに戻って椅子に座りぼーっとすると、サウナでのととのいとはまた違う高揚感。
岩盤浴はじんわり温まるので、サウナにハマってからあまり行ってなかったのですが、これはサウナ顔負けの熱さで病みつきになりそう。。。
体験談②たかの湯
すっかりミュージックロウリュに魅了されてしまった私は、すみれに行った翌日に雑色にあるたかの湯へ向かいました。
こちらは2022年3月にリニューアルしたばかりの銭湯なのですが、運営会社がすみれと同じでこちらでもミュージックロウリュが楽しめます。
そして、追加料金なしの480円でサウナが楽しめるという何とも良心的な施設です。
私は昼前に到着、頭や体を洗ったタイミングでちょうどglobeの『DEPARTURES』(こちらも絶妙な曲選)がスタートする時だったので、まずサウナに入ってみました。
すみれと同じくアナウンスが流れて赤い照明が光りミュージックロウリュスタート。
10人ほどのキャパなので、すみれがクラブならたかの湯はカラオケのようでした。音量もより大きく感じ、椅子を伝って重低音が体に響く。
最初は「結構いけるかも!」と思ったのですが、だんだん背中に熱風が当たるようになり、熱いを通り越して痛い!これはさすがに火傷してしまう!という防衛本能で1番のサビの途中に泣く泣く退室。
でもまだ体の芯が温まってない時だったので水風呂に入ってもただ冷たく、皮膚がピリピリする感じ。サウナ室からうっすら聴こえてくるKEIKOの「どこまでも〜」の声が切なさを助長します。
ととのい椅子に座っても、痛い寒い辛い情けない。。。
この圧倒的な敗北を受け止め、私は仮説を立てました。
・まだ体が温まってない状態だったので、皮膚表面だけが急激に高温になり耐えられなかったのではないか
・すみれでは岩盤浴着を着ていたので肌がカバーされていたが、全裸ノーガードは無理があるのではないか
そのため、2セットめはぬるめの炭酸泉で体の芯を温めた後、ミュージックロウリュが始まる5分前に入室、あらかじめ体を温めておく作戦を実行。
なぜ私がこの2セットめに並々ならぬ決意で臨んだのかと言うと、この回で流れる曲が私の大好きなEminem(エミネム)の『Lose Yourself』だったからです。
サウナ室内は通常時でも結構熱かったので「これ曲終わるまでもつかな?」と不安にもなりましたが、あのイントロが流れてきたらもう心はエミネム。
1回目の反省点を活かし、背中に熱風が吹き始めたタイミングでタオルを背中にかけてガード。首の後ろも痛かったので、フード付きタオルを持参している方を見て天才!と思いました。次回以降参考にさせていただこう。
そんな熱さ痛さに耐えながらも、大好きなエミネムの曲がこんなに熱いサウナの中で聴けるなんて、その奇跡のコラボに胸が熱くなり、途中から半べそ状態に。
汗だか涙だか分からないけれど目の前が滲む。。。
そしてエミネムに思いを馳せながらなんとか一曲を完走することができました!!!
1回目に失敗した悔しさをバネに、2回目で完走できた達成感たるや。
その後の水風呂と内気浴はそれはもう素晴らしいものでした。窓から差し込む日差しが私を照らし、勝者のウイニングラン状態。
エミネムもまさか自分の曲が2022年日本の雑色という地で1人の若者をここまで感化しているとは思ってもないでしょう。笑
ミュージックロウリュの魅力とは
この2日間を通して私はミュージックロウリュにすっかりハマってしまいました。
そんな私が考えたミュージックロウリュの魅力がこちらです。
・音楽の力でテンションが上がる
サウナの中ではテレビを見たい派・無音派などと分かれますが、音楽が流れていると、余計なことを考えずにサウナを楽しめるような気がしました。
「熱風をじっと耐えて受け止める」ではなく「自分も一緒に熱くなってやるぜ!」という気持ちに。コロナ渦に入ってから疎遠になってしまっていたフェスやクラブのようなお祭り感があり、ワクワク楽しい時間を過ごすことができます。
・時間が経つのが早く感じる
ロウリュ・アウフグースって、かなり体感温度が熱くなるので正直「早く終わらないかな」と思ってしまうこともありませんか?
でも音楽が流れているとその時間があっという間に感じるし、知っている曲なら「もう終わっちゃうー!」という名残惜しい気持ちにすらなります。
いつ終わるか分からないものは長く感じますが、知っている曲だとあとどのくらいで終わるかが分かるので、それも時の流れが早く感じる原因かもしれません。
・歌詞に感情移入→謎の達成感
私がすみれで体験した時に流れていたアリアナの『Break Free』は簡単に言うと「恋人と別れて自由で強い自分になる!」といったような歌詞です。
別れうんぬんは置いておいて、今この熱風を受け自分を解放して自由になる!という気持ちに。
また、たかの湯で流れていたエミネムの『Lose Yourself』は「(やりたいことや夢に向かって)我を忘れるくらい夢中になって取り組め。そして目の前のチャンスを決して逃すな」という歌詞。
今このサウナの中で自分を忘れるくらい熱さに集中するんだ!この瞬間は今しかない!という気持ちで完走することができました。
普段音楽を聴いている時よりも集中して歌詞を聴くので、より音楽に感情移入してしまうのでしょうか。曲を聴き終わった後はなんだか清々しい気持ちになり、困難を乗り越え何かを成し遂げたような達成感が味わえます。
最終的に精神論のようになってしまいましたが笑、百聞は一見に如かずなので、みなさんもぜひ施設に行って体験してみてください。
私も行くまでは「そりゃサウナで音楽流れてたら楽しいだろうな」と思っていたのですが、想像以上の楽しさでした。
今回ご紹介したすみれ・たかの湯はそれぞれTwitterでミュージックロウリュのセットリストを載せてくださっているので、ぜひお気に入りの曲の日を狙って行ってみてくださいね!